はじめに
これまでお話している通り、マンション投資の主要なリスクは「空室リスク」と「家賃下落リスク」の2つです。
この「空室リスク」(部屋の借り手がつかない)という状況になると、家賃収入が無くなるので手出しが発生してしまうことになります。
仮に1ヶ月借り手が付かないということになると、その間の家賃が手出しとなり、東京の物件で1ヵ月分となると1Rや1Kで10万くらいの出費になるのでこれは、避けたいですよね。
(出費と言っても、そもそも自分のローンなんですけどね(´-`).。oO)
そんなリスクをカバーしてくれるのが家賃保証、いわゆるサブリース契約というものです。
家賃保証(=サブリース)という仕組み
家賃保証(サブリース)とは、あなたの物件をサブリース会社という中間業者に貸し出して、そのサブリーズ会社が入居者に転貸しするという仕組みです。
このサブリース会社は、入居者が居ようが居まいが、あなたから物件を借りていることに変わりはないので、あなたに賃料を払うことになります。
【サブリースのイメージ】

つまり、あなたはサブリース業者に手数料を支払うことで空室リスクはこのサブリース会社に転嫁され、あなたの空室リスクはゼロになります。
サブリース契約で考慮すべきこと

サブリース契約の最大のメリットは、何と言っても「家賃が毎月保証される」ことです。
あなたはこれで空室リスクを負わずに済みますが、サブリース契約には考慮すべき点ががいくつもあります。
▼手数料が高い
サブリースでの家賃保証率は80〜90%というのが一般的です。
仮にあなたの物件の賃料が10万円だった場合、空室があったとしても毎月8〜9万円はサブリース契約によって保証されますが、毎月1〜2万を管理費で払うのは結構しんどいですよね。
▼家賃を自分で決められない
サブリース契約では借主であるサブリース会社の権利が守られており、家賃を上げる(=入居者がつきにくい)という借主が不利になるような賃料の改定は基本的にはできません。
なので、サブリース契約の場合、入居者がつきやすいように相場よりも低い家賃設定をされがちです。
ただでさえ家賃の10〜20%の手数料を払う上に、その家賃も相場より低いものになる可能性が高いのでオーナーにとってはダブルのダメージです。
▼礼金・更新料が受け取れない
地域にもよりますがマンション契約の更新料や、礼金は通常オーナーが受け取るか、もしくは管理会社と折半するというのが一般的です。
ですが、サブリース契約では入居者との契約は、サブリース会社が行うのでこの礼金や更新料もオーナーは受け取れないということになります。
▼自分の物件にどんな人が入居しているのか知ることはできない
通常オーナーは自分の物件にどんな人が住んでいるのかを知ることができますが、サブリースの場合はこの権利はありません。
▼契約が履行されない可能性もある
サブリース会社にとっては売り上げがない限り、継続することが難しいサブリース契約。
管理する物件に空室が相次いだらビジネスとして成り立たなくなりますね。
契約書の中で「サブリース会社から解約することができる」という規定を入れてくるケースもありますので、もしサブリースを検討している方はしっかり注意して読むようにしてください。
とはいえいくら注意してもあの有名な「かぼちゃの馬車」事件のように、会社が潰れてしまってはどうしようもありません。
サブリースは付けるべき?
以上のポイントをまとめるとボクの答えはNOです。
そもそも投資としてサブリースが必要になる(空室リスクがある)ような物件を選んではいけませんし、
都心10区といった東京の特定エリア、主要駅から徒歩10分圏内、築浅の物件であれば、サブリースを付ける必要は全くありません。
では仮に、そういったエリアで多少の空室が発生してしまったケースではどうか?シュミレーションしてみましょう。
参考までに3年間サブリースをつけた場合と、同じ期間サブリース無しで1ヶ月の空室が発生した場合のシュミレーションをしてみました。
サブリースの場合の賃料は通常低めになるので、これは甘めに同額家賃として見た場合の比較ですが、3年間でおよそ50万円の違いが出てきます。

これを30年のローン期間で考えると500万円!!いかにサブリースが不利になるか分かるかと思います。
最後に
いかがでしたか?
物件を正しく選びさえすれば、サブリースは不要であることがお分りいただけたかと思います。
ボクたちがやっているのは投資なので、あなたが取るべき利益をそんなに簡単に業者に渡してはいけません。
ちなみに、2020年1月発表のタス社の調査では東京23区の空室率は12.9%くらいだと言われています。
隣接する千葉15.9%、神奈川16.6%です。
ですが、足立区、葛飾区、江戸川区といった今後人口減のエリアを除き、しかも稼働率の高いワンルームに限って言えば東京23区であれば空室率はこれより随分と低くなるはずです。
そういった優良物件を狙えば、空室リスクなんて恐れる必要はありませんし、それでサブリースをつけたところでどっちみち不利になります。
とうのが私の結論です。
ということで今日はサブリースについて解説しました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました(^人^)!!